20年以上にもわたって、藤沢周平作品に魅了され続けた私にとって、この「蝉しぐれ」という作品はその題名を聞いただけで鳥肌モノである名作。 その名作が持つ衝動的な感動や高揚感を存分に満足させてくれる脚本を初めて目にし、さらに編集後の映像をも目にして、近年稀なほどの幸福感に数日間、酔いしれたものです。 その後、約1ヶ月間。苦しくも楽しい、辛くとも嬉しい、そんな作曲期間を経て私は意気揚々とレコーディングに突入したのでした。レコーディングでは、渾身の情熱を振り絞ってタクトを振り、この映画のために作曲したスコアにこめられた想いをオーケストラの面々にも伝えるべく全力を尽くしました。 その結果は充分にレコーディングされた音楽へ反映されたと自負しています。 |
岩代太郎 (いわしろ たろう)
1965年5月1日生まれ。東京都出身。
91年、東京芸術大学大学院修士課程修了作品「世界のいちばん遠い土地へ」がシルクロード管弦楽国際作曲コンクールにて最優秀賞を受賞。以降、テレビ、映画、アニメ、舞台など幅広いジャンルにて活躍する。
99年テレビ「With Love」のサントラ盤で日本ゴールドディスク大賞を、05年映画「血と骨」で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。また、「葵 徳川三代」(00年)に続き、NHK大河ドラマ「義経」の音楽を担当するなど、近年の活躍もめざましい。
05年には映画「ヒナゴン」、「忍-SHINOBI-」、「春の雪」、「あおげば尊し」が公開予定。
【主な映画音楽】
「あした」(95年) 「釣りバカ日誌14」(03年) 「さよなら、クロ」(03年) 「あずみ」(03年) 「殺人の追憶」(03年・韓国) 「血と骨」(04年) 「春の雪」(05年公開)など多数
この映画に出てくる役者は、 親の生き様をまま受け継いだ しかし、ここにはその正しさが
ひたむきな想いに心を打たれて私は涙した。 自分を取り囲むすべてのひとたちへ どうか貴方もこの映画で時代劇を |
一青窈 (ひとと よう)
1976年9月20日東京生まれ。
台湾人の父と日本人の母の間に生まれる。台北で幼稚
園を卒園後、日本で生活。慶應義塾大学環境情報学部(SFC)卒。
大学時代にはアカペラサークルでストリートライヴも行う。2002年「もらい泣き」
でデビュー、2004年には台湾の巨匠、ホウ・シャオシェン監督による、映画「珈琲時
光」初主演、「ハナミズキ」のロングヒットと、活躍の場所を広げる。今年8月に
は京都祇園甲部歌舞練場でのワンマンライヴ、9月21日には、本作イメージソング
となる「かざぐるま」を発売